地震の抗弁はもう使えない

2012.01.23

被害者側の弁護士は、「欠陥」判断は「法的」判断であると敢えて強調し、当該建物が違反することを主張立証することで「法的な欠陥」を推定させ、業者の非を裁判所に認めさせた。まさに法に照らして法に裁かせる、という戦術である。欠陥住宅で泣く多くの被害者にとっては光明ともいうべき大きな前進と言えるだろう。また、立ち遅れていた損害面(賠償金額)についても、年々、結果がよくなっていることは判例を見ても明らかだ。かつての裁判では、被害者は勝訴しても賠償面では泣くことが多かった。

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そしてこれは、事実上「業者のやり得」だった。しかし、近年は、その賠償金の額においても現実の救済に近い判断を下すケースが増えてきた。いよいよ業者の「やり得」は実質的な金銭面でも成り立たないものになってきた。さらにもう一点、あえて注目したいのは地震との関連である。判例の中には阪神淡路大震災で倒壊、被害を受けた建物のケースも出はじめている。そして、その結果が示しているのは、「最低基準さえ遵守していない建物は、地震に遭えばやはり倒壊または大破するしかない」という事実である。逆に「基準をきちんと守って造れば、あれほどの大地震でも建築物というのはそう簡単には壊れない」ということでもある。業者側にとっては、「地震のせい」という抗弁が今後は通用しないことを思い知らされる判決である。