下着が作られるプロセス

2011.07.02

下着がどのように作られてゆくか、そのプロセスを少しだけ、のぞいてみよう。下着メーカーのデザイナーは、国内外のファッショントレンドをはじめ、さまざまな生活情報から新製品の下着を着想し、デザイン画を描き始める。一方、女性の体型を研究する研究開発部門では、最新の下着に求められる機能性を具体化していく。バストをどのように寄せて、上げるのか、いかにして快適にお腹を押さえ、ヒップをアップするのか。あるいは、下着によって歩行時の姿勢をよくする、あるいは、加齢によって動きにくくなった身体をサポートすることはできないか……それらの研究成果に基づき、製品が構想される。しかし、これで終了ではない。ここからが知恵の絞りどころでもある。デザイナーが描くイメージと、製品に求められる機能性は必ずしも一致してくれない。見た目にどれほど魅力的なデザインでも、体型補整機能や、身体の動きに働きかける機能などが損なわれれば、製品のセールスポイントが欠けてしまう。デザイナーと企画担当者、研究開発の担当者が激論を戦わせる場面だ。たとえばフロントホックブラでは、ブラジャーのホックを前に持ってくるというデザインを優先すれば、小さなホック一つでバストのボリュームの正面を支えることになり、バストをサポートする力が不足し、つけ心地が損なわれる恐れがある。解決するにはしっかりしたホックを開発することが必要だが、そこでホックの部品が大きくなればデザイン性が損なわれる……といった具合だ。デザイン、機能性、つけ心地の要素が、小さな数ミリの部品をめぐってせめぎ合い、ようやく一枚の製品デザインが決定されることもある。そしてパターン(型紙)が生産工場に送られ、その形に従って正確に生地が裁断される。ブラジャーの場合、20〜40のパーツをミシンで縫製するなどの工程を経て完成する。それぞれのパーツには一つも無駄なものがない。それらの微妙な組み合わせやバランスが、下着の機能性と、デザインとの絶妙なバランスを作り出しているのである。

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