肉体の成熟と精神の成熟

2011.06.30

結婚というのは大事業である。適齢期が来たからとか、周りがみんな結婚したからなどといって、どんな相手でも構わずに実行してよいものではない。もしあなたに本当にいい相手が欲しい、という祈りがあれば、男でも女でもきっといつかいい相手にめぐりあえるはず、というのが私の体験的結論である。自分が好きで、自分が一番大事で、自分にやりたいことがいっぱいあって、とても結婚して、一人の相手のために自分の望みを断ち切れないと思うひとは、結婚しないでほしいと思う。私自身が、そのような娘であったことは前にも書いた。そのような娘であったのに結婚したのは、私は、そういう自分を、自分で肯定できなくなったからである。こんなにも自分を大事に思っている自分が、自分でいやになったからである。私は自分を変えたかった。変えてくれるものがほしかった。私の友人にも結婚しないで自分の生涯の目的の勉強を続け、信仰生活を送っているというひとはたくさんいる。そのひとたちは老年期に入っても、寂しいだの、孤独だのとは決して言わず、自分のしたいことを貫けたことを喜んでいる。結婚したら楽しいことばかりと期待しているようなひとは、まだ結婚の資格がないと思う。自分のしたいことが相手によってどこまで妨げられるか、それに耐える力が自分にあるか。相手の苦労をどこまで自分のものとする気持ちが持てるか。女も男も、肉体的に成熟して、いつでも結婚できるという状態になったときから、肉体が成熟するのと同時に、精神も成熟させてゆかなければならないのである。そのためには、漫画ばっかり読んでいては心細い。漫画というのは難しいことを楽にしようというために書かれている。漫画をいくら読んでも、実際の苦しみの中で、苦しみへの挑戦や対応や、苦しみの解決などという力はつかないと思う。中学一、二年ごろから、男は将来、妻を泣かす男になるな、女は夫を邪魔する女になるな、というような、結婚について一番大事な心構えを、学校よりは家庭で、父なり母なりが、模範的な夫婦のかたちをとることで示したい。子どもに結婚への準備教育を早くから始め、いい年をした成人の男女が、「仲人口を信じて」とか「ついその場の雰囲気で」結婚したのは失敗だったなどという、みっともないことを言わないようにしてもらいたい。

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